ISOの略称 |
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ISOとはInternational Organization for Standardizationの略称で、日本語では「国際標準化機構」と翻訳されている。ではなぜ略称が"IOS"ではなく"ISO"なのかと疑問に感じるかもしれないが、この由来にはっきりしたものはなく一応、(1)ISOという意味が「等しいこと」、「一様性」を示すギリシャ語の「ISOS(イソス)」からきたもので、多くの科学技術用語の中で使用されていること、(2)ISOという言葉は発音しやすく、前身の機関(ISA=万国規格統一協会)を知っている人たちは容易に連想が可能であること、などが根拠としてあげられている。 |
ISO規格が必要なわけ |
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なぜISOという組織によって規格=標準を作る国際標準化活動が必要になるのであろうか。それは工業化社会によって、製品が国境を越えた貿易の対象となったからである。つまり各国がそれぞれの規格によって製品の品質、性能、安全性、寸法、試験方法などを独自に決めていたのでは、国内だけであればそれほど問題はないが、世界規模の貿易という観点からは、統一のとれていないバラバラな規格が存在することになり、障害となるからである。さらには、国際市場においても円滑に経済取引を行うためには、相互理解、互換性の確保、消費者利益の確保などを図ることが重要で、これらが保証されないと取引上大きな障害となる。このような背景のもとで標準化が進んできたのである。 |
ISO規格の中身 |
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ISOで象徴的な標準化規格は、いわゆる「イソねじ」と呼ばれる"ねじ"の規格や写真フィルム感度の規格、クレジットカードの寸法規格などがあげられる。しかし1987年に規格化されたISO9000シリーズ(品質マネジメントシステム。前身はイギリスのBS5750)は、従来の製品に対する規格化ではなく、企業の管理体制(マネジメント)に関する規格化である点が大きく異なっている。
マネジメントシステムで有名な規格がISO9000シリーズ(品質管理及び品質保証)、ISO14000シリーズ(環境マネジメント)であるが、両シリーズはファミリー規格を加えれば相当数の規格となる。さらにISO17799: 2000(情報セキュリティ管理実施基準)、リスクマネジメント規格としてのISO/IECガイド72、セクター規格としてのISO/TS16949(自動車供給業者及び関連業務部門組織へのISO9001適用のための特別要求事項)、ISO15161(ISO9001の食品及び飲料産業への適用についての指針)、ISO13485(品質システム−医療用具−ISO9001を適用するための特別要求事項)などの規格がISO化されている。 |
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