【グローバル・ニュース(メルマガ版)Vol.14】/2012.5.28
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http://www.gtc.co.jp/
━ 今月のラインナップ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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【トピック1】
ISO22301(事業継続マネジメントシステム)ついに発行!
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【トピック2】
「今夏の電力需給対策」が決定
―夏季の省エネ対策と連動した節電対策を―
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【連載】
ISO9001〜経営の視点から(vol.2)
文/(株)グローバルテクノ・国際システム審査(株)代表取締役 砂川 清栄
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【トピック3】
「創業20周年記念、夏の感謝割引」
審査員研修コースの受講料が20%感謝割引です!
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【トピック4】
6月のISO9001・ISO14001注目セミナー
新入社員、人事異動対応にお役立てください!
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【トピック1】
ISO22301(事業継続マネジメントシステム)ついに発行!
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かねてよりその動向が注目されていた事業継続マネジメントシステム
(BCMS)の国際規格ISO22301(Societal security. Business
continuity management systems)が、ついに5月15日に発行されま
した。今年2月にFDIS(最終国際規格原案)が示され、国際標準化
機構のTC223(社会セキュリティ)という専門委員会の中で発行の可
否を問う最終投票が行われていましたが、4月3日に可決され、今回
の発行に至りました。
ISO22301は、ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO14001(環
境マネジメントシステム)等と同様、第三者認証に使われることを前
提としたISOマネジメント規格です。ISO22301の章構成は、以下のよ
うになっています。以下の用語は、ISO22301:2012の英語原文をもと
に、ISO/FDIS22301英和対訳版((一財)日本規格協会発行)を参考
にしています。
1. 適用範囲
2. 引用規格
3. 用語及び定義
4. 組織の状況
5. リーダーシップ
6. 計画
7. 支援
8. 運用
9. パフォーマンス評価
10. 改善
これまで発行されたISOマネジメントシステム(ISO9001、ISO14001
など)の構成と大分異なっていることにお気づきかと思います。ISO
22301は、今後のISOマネジメントシステムの共通化の先駆け的役
割を担っています。すなわち、これから発行されるISOマネジメントシ
ステムはもちろん、これまで発行されたISOマネジメントシステムにつ
いても、今後、それぞれの改訂のタイミングで順次、上記の共通の
目次構成や要求事項が採用されることになっています。それでは、
ISO22301の内容を、PDCAモデルに当てはめて具体的に見ていき
ましょう。
第4章から第7章までが、PDCAモデルの“PLAN”に当ります。
第4章「組織の状況」では、
・組織がBCMSを確立・導入・維持するにあたって考慮しなければな
らない事項
・組織の利害関係者とその要求事項(ニーズ及び期待)
・適用される法令及び規制の要求事項
等を特定すること、及び
・BCMSの適用範囲
を決定すること等が規定されています。
第5章「リーダーシップ」では、
トップマネジメントのリーダーシップとして、
・BCMSに関する「コミットメント」を実証すること
・「事業継続方針」を策定し周知すること
・関連する役割に責任及び権限を割り当てること
等が定められています。
第6章「計画」では、
・対応する必要のあるリスク及び機会を決定し、それらに対応する処
置を計画し実施すること
・「事業継続目的」を設定し、その「達成計画」を決定すること
等が規定されています。
第7章「支援」では、
・BCMSに必要な「資源」を決定し、提供すること
・必要とされる「力量」を特定し、それを持つことを確実にすること
・組織の管理下で仕事をする者が「認識」すべき事項(事業継続方
針、自らの役割等)
・BCMSに関係する内部及び外部との「コミュニケーション」の方法
・要求される「文書化した情報」と、その作成又は更新、及びその管理
等について規定されています。
第8章「運用」は、PDCAモデルの“DO”にあたり、BCMSを構築する
上で、最も重要な核となる部分です。ここでは、組織が有効な事業
継続計画を経営方針に沿った形で策定、導入、維持、管理していく
ための活動として、
・運用に必要なプロセスの計画及び管理
・「事業影響度分析(BIA)」及び「リスクアセスメント(RA)」を実施する
ための文書化した正式なプロセス
・BIA及びRAからのアウトプットに基づいた「事業継続戦略」の選択・
決定
・選択した戦略を導入するための「資源」に関する要求事項の決定
・「事業継続手順」(「事業継続計画」を含む)の確立及び導入
・事業継続手順が事業継続目的に合致していることを確実にするた
めの演習及び試験の実施
等について規定しています。
第9章「パフォーマンス評価」は、PDCAモデルの“CHECK”にあたり、
・BCMSのパフォーマンス及び有効性を評価するための監視、測定、
分析及び評価
・内部監査
・マネジメントレビュー
等について規定されています。
第10章「改善」は、PDCAモデルの“ACT”にあたり、
・不適合の特定と是正処置
・BCMSの適切性、妥当性又は有効性の継続的な改善
について規定されています。
(注記)「予防処置」の要求事項がなくなり、概念が6章に統合されて
います。
では最後に、ISO22301の今後の普及のあり方について考えてみた
いと思います。前述の如く、ISO22301は、BCMSについての第三者
認証に使われることを前提としたISOマネジメント規格です。これまで
にBCMSの第三者認証を取得した企業によれば、
・「BCMSを構築し維持していくための仕組みとして有効である」
・「取引先、顧客からの信頼度が向上する」
等の効果が挙げられており、ISO22301が正式に発行された後は、
これらを目的に第三者認証の取得を目指す企業が増えてくることが
予想されます。
一方で、第三者認証制度については、費用もかかることから、慎重
論もあります。「ISO22301は要求規格とは言え、その取り組みは任
意。お金をかけて認証をとる必要はなく、内容をしっかり把握し、うち
の組織はこの項目については、こう理解し取り組んでいるということ
を言えればいい」(京都大学 林教授)という意見です。実際、昨年
の東日本大震災において壊滅的被害を受けながらも、第三者認証
は取得していない自前のBCPを活用して短期間で事業を再開させ、
さらにその実績が評価されて、その後大きく業績を伸ばしている中
小企業の事例が報告されています。
そもそも事業継続の本質は、「有事の際に、企業がいかに有効かつ
効率的に対応し生き残るかの経営戦略である」点にあります。した
がって、体力に余裕があって取りたい企業は、ISO22301の第三者
認証をどんどん取れば良いと考えます。一方、経営資源の乏しい中
小企業等においては、ISO22301をいわゆる「レシピ」として活用し、
運用の枠組みや方向性を決めたら、後はそれほど費用をかけずに、
企業の体力や成熟度に応じて段階的に取り組むようにするのが良
いのではないでしょうか。いずれにしても、ISO22301の正式発行を
機に、日本における事業継続の取り組みが大いに促進され、日本
企業全体のレジリエンスが高まることを期待いたします。
text by 講師 石井 稔
★『事業継続マネジメント入門コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/other_iso/bcmi.html
★『事業継続マネジメント実践コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/other_iso/bcma.html
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【トピック2】
「今夏の電力需給対策」が決定
―夏季の省エネ対策と連動した節電対策を―
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政府は5月18日、「今夏の電力需給対策」を決定しました。今回の
対策は、猛暑だった2010年夏のピーク時と比較して、関西電力15
%、九州電力10%、北海道電力7%をそれぞれ上回る節電目標を
定めています。必要に応じて関電と九電に電力を融通するため、
四国電力に7%、中部、北陸、中国の3電力にも5%を上回る節電
を求め、西日本全体で危機を乗り切ることで、関電管内での電力
使用制限令の発動は回避する方針です。
一方昨年、電力使用制限令が発動された東京電力と東北電力の
管内は、現時点で供給力が需要を上回る見通しで数値目標は設
定されませんでした。全国的な節電期間は、7月2日〜9月28日の
平日(8月13〜15日は除く)の午前9時〜午後8時。このうち数値目
標がある節電の期間は、西日本6電力は7月2日〜9月7日、北海
道電力は7月23日〜9月7日。北海道は9月10日〜14日の午後5時
から8時までも対象とされています。また、毎年取り組まれてきた
「夏季の省エネルギー対策」も今年は電力需給対策と一体となる
形で省エネルギーの取組みを推進する内容となっています。具体
的には、
1. 工場・事業場・運輸分野における省エネ法に基づくエネルギー
管理の実施
2. 住宅・ビル等の省エネルギー対応
3. エネルギー消費効率の高い機器の選択・購入
4. 公共交通機関の利用促進
5. エネルギー消費効率のよい輸送機関の選択
6. エコドライブの実践
7. ISO50001(エネルギーマネジメントシステム規格)の導入検討
8. エネルギーに資する事業活動の合理化及び従業員等の意識向上
などがあげられ、国、地方公共団体、事業者及び国民が省エネル
ギー対策を一層推進することを呼びかけています。
東日本大震災を契機とする電力供給不足がまだまだ解消されない
状況の中、グローバルテクノではエネルギー問題解決のためのご
提案として、「夏季の省エネルギー対策」にも取り上げられている
「ISO50001」のセミナーを積極的に開催していきます。皆様のご参
加を心よりお待ち申し上げます。
★『ISO50001審査員資格拡大研修コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso50001/ena3.html
ISO9001/14001審査員研修コース修了者も受講できます。
2012年6月30〜7月2日大阪、8月11〜13日東京開催、申込受付中!
★『ISO50001解説コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso50001/eni.html
ISO50001を基礎から学習できます。
2012年7月26日東京、8月30日大阪開催、申込受付中!
★『ISO50001/14001統合・有効活用コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso50001/enpd.html
ISO50001の導入によるISO14001の活性化をご提案します
2012年7月27日東京、8月31日大阪開催、申込受付中!
★『ISO50001省エネ診断コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso50001/enrv.html
実際のビルをモデルケースとして「エネルギーレビュー」の方法を
演習で学習できます。2012年6月15日、8月24日東京開催、申込
受付中!
text by 研修部 澤本
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【連載】
ISO9001〜経営の視点から(vol.2)
文/(株)グローバルテクノ・国際システム審査(株)代表取締役 砂川 清栄
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こんにちは! 株式会社グローバルテクノの砂川清栄です。前回
(http://www.gtc.co.jp/mailmagazine/backnumber_13.html)に引き
続きISO認証取得により組織が陥りやすい危険な罠について考え、
自戒をこめて、組織が陥っている典型的な弊害の事例をとりあげます。
(4)変化への対応が鈍い
マニュアル人間、いわゆる考えない集団になりがち。マニュアルにな
いことに対しての対応が出来ない。対応しない。ある面、決められた
仕事の対応はすばらしいが、応用が利かないため視野が狭く人間的
成長があまりない。変化対応にもろく、顧客のニーズにきめ細かく対
応できない。組織の成長についていけない。仕事の目的を考える習
慣をつけさせること。絶えず創意工夫をおこなうように仕向けること。
(5)マーケットイン思考が出来ない
お客様のニーズに対応する努力をしない。お客様の要求に応えるた
めの改善をしない。お客様目線で「売れるものをつくり、売れるものを
提供する「マーケットイン」の考え方が出来ない。ISOの問題というより、
経営的な視点から、全社員に「組織は顧客のためにある」ことを認識
させること。顧客があって組織が存在する。
(6)後工程は、お客様の概念が希薄になりがち
It is not my business (None of my business). 私の仕事の範囲では
ない!それはあなたの仕事でしょう!症候群。プロセスは、どんなに
すばらしいプロセスであったとしても、プロセスに入ってくる情報にミス
や欠陥があれば、プロセスの結果に大きな影響が出る。正しくない
情報からは正しくない結果しかえられない。プロセスオーナーの責務
は、プロセスに必要な正しい情報を入手し、プロセスを正しく処理し正
しい情報を伝えることにある。すなわち、仕事は、「最初から正しく行
い、正しい結果を後工程にまわす」。
(7)何のためにこの仕事をしているか考えない(仕事の目的を考えな
い)
毎日毎日同じことの繰り返しで、改善や工夫がない。売上げや、コス
ト、利益に無関心で平気で無駄なことを省く努力をしないで効率が悪
くても改善しようと心がけない。前からそのようにやっているとか、決
められたことだからそれがベストだと信じ込み目的にかなった方法で
あるかどうかの詮索をしない。今日のベストは必ずしも明日のベスト
ではないことを認識させること。考えること、改善すること、創意工夫
をすること。仕事の目的を考えることから身に付けさせよう。
(8)まとめ
ISO9001は経営の土台づくりとして活用する。良いものを作るために
経営の基礎をしっかりつくるために、良い管理技術として採用する。
ISO規格に振り回されてしまって、官僚的組織にならないように絶え
ず注意が必要です。決して、規格に振り回されてはいけない。逆に、
時と場合によっては規格を振り回す活用が大切です。経営には「バ
ランス」が必要でフレキシブルな考え方も必要です。その上でさらに、
ドラッカーが提唱するマネジメントに欠かせないマーケティングとイノ
ベーションを強化していけば、必ず強い組織となっていくと信じてい
ます。
国際システム審査(株)では、「形骸化からの脱却セミナー(無料セミ
ナー)」を行っています。詳細はこちらをご覧ください。
(http://www.isa-cb.co.jp/news.html)
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【トピック3】
「創業20周年記念、夏の感謝割引」
審査員研修コースの受講料が20%感謝割引です!
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株式会社グローバルテクノは、今年で創業20周年。感謝の気持ちを
込めて「創業20周年記念、夏の感謝割引」を行います。各種審査員
研修コースの受講料が20%感謝割引です。この機会に是非ご受講く
ださい。なお、対象コース、対象日程は下記になります。また、他の
割引制度との併用はできません。
★『ISO9000審査員研修コース(JRCA承認/IRCA認定)』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso9000/las.html
受講料 231,000円→感謝割引価格 184,800円(税込)
2012年8月11日(土)〜15日(水)東京
2012年8月11日(土)〜15日(水)大阪
2012年8月11日(土)〜15日(水)名古屋
★『ISO14001審査員研修コース(CEAR承認/IRCA認定)』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso14000/eqa.html
受講料 231,000円→感謝割引価格 184,800円(税込)
2012年8月11日(土)〜15日(水)東京
2012年8月12日(日)〜16日(木)大阪
★『ISO14001審査員資格拡大研修コース(CEAR承認)』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso14000/eqa3.html
受講料 157,500円→感謝割引価格 126,000円(税込)
2012年8月20日(月)〜22日(水)東京
★『ISO50001審査員資格拡大研修コース(CEMSAR承認)』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso50001/ena3.html
受講料 157,500円→感謝割引価格 126,000円(税込)
2012年8月11日(土)〜13日(月)東京
★『OHSAS18001審査員資格拡大研修コース(IRCA認定)』
http://www.gtc.co.jp/semn/ohsas/ohsla.html
受講料 157,500円→感謝割引価格 126,000円(税込)
2012年8月17日(金)〜19日(日)大阪
★『FSMS審査員研修コース(JFARB承認/IRCA認定)』
http://www.gtc.co.jp/semn/fsms/fla5.html
受講料 210,000円→感謝割引価格 168,000円(税込)
2012年8月11日(土)〜15日(水)東京
★『ISMS審査員研修コース(JRCA承認/IRCA認定)』
http://www.gtc.co.jp/semn/isc/ila.html
受講料 210,000円→感謝割引価格 168,000円(税込)
2012年8月11日(土)〜15日(水)東京
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【トピック4】
6月のISO9001・ISO14001注目セミナー
新入社員、人事異動対応にお役立てください!
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★『ISO9001入門コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso9000/qi.html
新入社員教育に、ぜひご利用ください。
2012年6月13日東京、6月27日東京、6月20日大阪開催。
★『ISO9001内部監査員養成コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso9000/ia.html
人事異動対応に、ぜひご利用ください。
2012年6月7〜8日東京・大阪、6月14〜15日東京・新潟、6月18〜
19日名古屋、6月21〜22日東京・大阪・福岡、6月25〜26日品川、
6月28〜29日東京・大阪開催。
★『ISO14001入門コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso14000/e.html
新入社員教育に、ぜひご利用ください。
2012年6月11日東京開催。
★『ISO14001内部監査員養成コース』
http://www.gtc.co.jp/semn/iso14000/ea.html
人事異動対応に、ぜひご利用ください。
2012年6月11〜12日大阪、6月12〜13日東京、6月18〜19日東京・
大阪、6月21〜22日仙台・岡山、6月25〜26日東京開催。
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「梅雨」の語源は、梅の実が熟す頃に降る雨、黴(カビ)が生えやす
い時期の雨 「黴雨(ばいう)」など、いくつか説があるそうです。そろ
そろ傘が手放せなくなる季節ですが、「江戸しぐさ」に「傘かしげ」と
いうものがあります。道で傘をさした人同士がすれ違う際に、互いの
傘がぶつからないように自分の傘を外側に傾ける所作のことだそう
です。先人の“粋”、実践していきたいですね。
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