このガイドは、企業などのBCMの取組みを推進させ、今後の事業継続活動に資する情報を提供するもので、JIPDECの情報セキュリティ専門部会(委員長・篠原雅道/インターリスク総研主任研究員・BCI日本支部代表)がとりまとめた。本書は“ガイド”(手引)という名のとおり、経済産業省が2005年3月に必要性やフレームワーク、検討項目を整理した「事業継続計画策定ガイドライン第一版」や、中小企業庁が2006年2月に公表した「中小企業BCP策定運用指針」のような構築のためのガイドライン(指針)ではない。本ガイドは、英国が本部のBCI(Business Continuity Institute:世界事業継続協会)が2002年に作成した「Good Practice Guidelines(実践的な指針)」をもとにBSI(英国規格協会)が作成したPAS(一般仕様書)56「Guide to Business Continuity Management」など、世界のBCMに関するガイドの概要や入手先などを整理し、さらに日本ヒューレット・パッカード社などのケーススタディを掲載した実践的な内容である。
IT全般統制構築支援はIT全般統制の世界標準である「COBIT for SOX(IT Control Objectires for Sarbanes-Oxley)」をベースに、システム監査基準、ITIL、CMM、ISMSなどを併用してIT全般統制の構築を支援する。具体的にはプログラム開発、プログラム変更、コンピュータ運用、プログラムとデータへのアクセスという四つの評価項目について、「計画策定」「IT全般統制の評価及び有効性の判断」「重要な欠陥の是正」という三つのフェーズで問題の洗い出しから評価、改善までを行う。もう一方のIT全般統制クイックアセスメントは、IT全般統制構築支援サービスの簡易版である。