はじめに ― 「シックスシグマは、ISO導入企業にこそお勧めします」
今や多くの企業・組織はISO9001(品質マネジメントシステム)の認証を取得しています。そして認証取得の動機の多くは、ご自身の企業・組織の発展に役立つという大きな期待にあります。ISO9001は2000年版に改訂されて、規格の目的自体が実質的には『(永続的な繁栄などの企業の目的を達成するための一環として)“顧客満足の向上”を目指す』と非常に明解になりました。
ISOは経営のツールとして役立つものですが、認証の取得がゴールではありません。それだけではISOの付加価値を十分に享受しているとはいえません。『“顧客満足の向上”を目的として“企業・組織の総合的なパフォーマンスと効率の継続的改善”』が達成でき、そしてその結果として、企業・組織の永続的な繁栄や理念の実現ができてはじめてISOが経営に貢献できます。そうでなければ、ISOのために“ムリ、ムダ”のある仕事が増えただけになってしまいます。
さて、“継続的改善”を、大きな成果を得ることができるように進めるにはどうすればよいか。単に改善活動をするだけではなく、そこから大きな成果を生み出さないと意味がないことはいうまでもありません。では、具体論としてどうすればよいのか。過去30年以上にわたって日本で活用されてきた改善活動の手法を持ち出すのもよいかもしれませんが、高度成長経済ではない今の時代において、経営に直結している問題・課題を解決する力を持つ手法であるシックスシグマを活用することも優れた選択の1つです。
その理由は、シックスシグマはこの『“顧客満足の向上”を目的とする“継続的改善”』を合理的に、効果的に、強力に、納得できるように達成できる手法だからです。また、経営上の重要な問題・課題は、従来の改善活動では取り上げることのなかったことや、取り上げても解決できなかったことをはじめとして、生産部門だけではなく、販売部門、開発・設計部門、サービス部門、スタッフ部門など、企業・組織のあらゆるプロセスのどこかに潜んでいるのであって、シックスシグマは、これらの従来の手法では改善することができなかった問題・課題を4〜6ヶ月という短期間で確実に解決に導くことができます。これからの時代は“顧客満足の向上”と共にこれらの経営上の重要な問題・課題をいち早く解決できた企業・組織が生き残れる時代ともいえます。
シックスシグマはしかし、ISOとは別個の活動ではありません。問題・課題をISOの仕組みで管理し、シックスシグマで“顧客満足の向上”を実現しつつこれらの問題・課題を解決することで利益を得る、というように、車の両輪を成すものです。シックスシグマはISOを真に企業・組織に役立つものにするための戦術・考え方です。そして、シックスシグマは決して大企業・大組織だけのものではありません。ISOと同じように、強力なリーダシップのあるトップが率いる企業・組織でこそ大きく役立つ戦術・考え方です。ISOを導入されている企業・組織にシックスシグマを強くお勧めする所以です。
株式会社グローバルテクノ
シックスシグマ・マスターブラックベルト コンサルタント 瀬川 隆一 |
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